7月22日号

三品聡子(みしな・さとこ)
1976年、大津市生まれ。大卒後、小貫雅男・滋賀県立大教授提唱の「菜園家族」の思想に共鳴。4年前から伊吹山ろくで自給自足の田舎暮らしを実践中。
「菜園家族」でエコライフ −自給自足のエコライフを目指す 三品聡子さん(30)

「菜園家族」に共鳴し、エコライフを実践する三品さん
 伊吹山地のふもと、長浜市東野町で三品さん一家は田舎暮らしを楽しんでいる。400坪もの敷地と、風雪に耐えてきた瓦ぶきの母屋と離れが生活の拠点だ。4年前から借りて住んでいる。

 棟の周囲には菜園や茶園、カキやモモ、ウメなどの果樹。チャボとウコッケイの鶏舎、ヤギや犬の小屋も配されている。

 庭では、ヤギのメエちゃんが雑草をパクパク。

 「うちの自動草刈り機です」と三品さん。足元にはチャボたちが行ったり来たり。

 大津市育ちの三品さんと、やはり湖南育ちのご主人・楠原剛人さんは結婚前から古民家を見て回るのが趣味だった。共に非農家育ちだが、田舎へのあこがれも共通していたという。

 そんな2人がある冬の日、大雪に埋もれたこの屋敷を見たのが、運命の転機になった。

 「すぐ空き家だと分かりました。頑丈な家とムラの様子が気に入って、こんな所を借りて住みたい、と」。

 所有者の快諾を得るとともに結婚し、田舎暮らしを開始した。前後して、もう一つの転機があった。小貫雅男・滋賀県立大教授が提唱する「菜園家族」の考え方に接したことだった。

 すなわち「3世代家族で、週のうち5日は菜園を営み、2日は従来型の仕事で給料を」という農作業暮らしの勧めだ。

 率先して「菜園家族」になろうと、三品さんは北海道の農家で住み込み実習までした。

 今では七畝の田で米も採り、野菜や鶏卵、茶、みそ、漬物も手作りという自給自足ぶり。

 現金収入は、セミプロ級の琴の演奏や剛人さんの農家見習い賃が頼り。だからというわけではないが、電気洗濯機は置かずに、洗濯板を使う生活だ。

 今年からは里親として小学3年の女児を預かり、なおにぎやかになった。「ムラの人にエコライフの知恵も習える、ご飯がおいしい、ホタルがきれい、土いじりは気持ちいい、と良いことずくめです」と三品さん。

 時代遅れのようで、時代の先端を行っているこの菜園家族。ただ今、3人と犬2匹、ヤギ1頭、ニワトリ15羽である。

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